2016年も暮れようとしております。
今年はPSVRが発売されるなど、「VR元年」と言われましたね。それゆえ、バーチャルリアリティを使用しての空中浮遊体験機器の映像が、今年になって各所で公開されています。今回は一部をピックアップしてご紹介しましょう。
こちらは台湾の企業が製作したパラシュート降下の疑似体験VRマシン。今年の夏、地元の展示会に出展したときの模様であるようで。あんまり動いてないように見えますが、映像に合わせて体の傾きや多少の上下動は再現されるみたいです。
体験しているのは、ちょっとキレイなお姉さん……だと思われますが、どうでしょう? VRゴーグルをしているとそのあたりの判別が難しいです。スキー場で出会ったイケメンや美女が、町へ降りたとたん凡人以下になり下がってしまう現象は、昔からよくある話だし(笑)。
一方こちらは9月にベルリンで開催されたIFAという展示会での、韓国サムスン社のブースにあったらしい体験機器。ハーネスで宙吊りにされたまま数メートル落下するのに合わせ、ゴーグル内の映像ではもっと高空から、それも火山の火口へ向かって(!)バンジージャンプを行っているのだそうです。動画中盤に登場しますので、せっかちな方はスライダーで早送りしてください(笑)。
ともに筆者としてはぜひ体験したかったところですが、台湾は遠いし、ベルリンはもっと遠い……。ラッキーにも当日体験できた外国人たちの空中浮遊を、ただ見つめることしかできません。ちなみにYouTubeでいわゆる「関連動画」を探せば、それぞれ別の動画が数多く見つかりますので、お好きな方は探してみてください。
しかし思い返せば大昔、似たような仕組みの体験機器は、すでに開発されておりました。そう、それはもう10年以上も前のこと。当時ネットで拾った写真があります。
仕組みは上の動画とほぼ同じです。立体映像の映るゴーグルとハーネスを装着して台上に乗ると、飛行機から飛び降りる見た目映像が流れます。パラシュートが開くと同時に台の底が抜けて体験者は宙吊りとなり、パラシュート降下を疑似体験しながらその絶景を堪能できる、というものだったらしいです。
ただ当時のVR技術は今ほど進歩していなかったわけで、おそらくゴーグルで見える景色は固定カメラによるもの。つまり、首を動かして左右や背後を向いてもそっちの景色が見えるわけではなかったと思うんですよね。
筆者としてはそれでも興味津々ではあったのですが、この機器、当時すこしだけニュースになった程度でその後はほとんど普及することなく製造が中止されるに至った、と風の噂に聞いています。
それが、近年のVR技術の進歩により、よりリアリティを増して息を吹き返したということなんですね。
それにしてもこのVRという分野、わが日本はけっこう世界の先端を行っている国のひとつであるはずなんだけど、こうした実際の空中浮遊を伴うレジャーについては他国に、しかも欧米でなくアジア諸国に先を越されているのは悔しいじゃありませんか。
日本のレジャー施設でもこのような疑似空中浮遊体験ができるようなアトラクションを、日本の各企業ともぜひ完成させてほしいものです。奮闘を祈ります。
……という一文で締めくくる記事を、今年の最終更新記事にしようという計画を、すでに1~2ヵ月前から企てていた今年の筆者。
ところがその後、事情が変わったのですよ!
今月16日、渋谷のど真ん中にオープンした新施設「VR PARK TOKYO」は、VR機器ばかり6~7種類を一堂に集めたVR専門パーク。6~7種類というあいまいな数字を提示した理由は、目下6種類が稼働中で、近日7種類目が追加される予定になっているから!
この7つ目というのが、バンジージャンプVR(仮)と銘打たれています。来月中旬には登場予定となっているのですが、おそらくは上のサムスンブースのものとほぼ同内容だと思われます。
その根拠は、両者とも同じ会社が手がけているから。サムスンブースのアトラクションはサムスン本社の製品というわけではなく、同じ韓国のVRコンテンツ制作会社が開発したものなんですね。この会社には日本法人も存在しておりまして、それがバンジージャンプVRをはじめパーク内の一部アトラクションを提供しているというわけです。
筆者としても当然、来月以降には乗り込んでみたいところ。ただ混雑状況など、いろいろ気になる点もあります。このパーク、テレビなどメディアで取り上げられるケースが意外なほど少なかったので、今のところは余裕を持って訪問できそうですが、何か人気番組でドーンと紹介されたらたちまち連日大混雑になってしまう可能性もあります。VR PARK TOKYOは70分ごとの入れ替え制という形態を取っている珍しいパークで、ネットで事前予約すれば必ず入ることができるようになっている反面、満員になったら並ぼうが待とうが絶対に入れないわけです。
料金は2900円ないし3300円で……70分にしてはだいぶお高めだなあ。当日途中入場30分未満で1500円というのもありますが、(とくに混雑する休日は)ちょっと確実性に欠け使いにくいし。考えてみれば、そらスタジオやその流れを汲む豊洲の期間限定パークの4800円というのも、一般論としては高価な印象だったけど、これは丸1日のフリーパスだったわけで、それと比較するとねえ。
事前予約&入れ替え制ゆえ、あまり待たされずサクサク体験できる利点はあれど、どうしたって時間に追われて慌ただしく各アトラクションを回るという展開になりがち。筆者はあまり好きではないですね。入場人数に制限があるのはいいとして、もうちょっと各人が自分のペースで楽しめるような仕組みにしてくれればいいのに。
とはいえ、ほとぼりが冷めたら行こう、いつでも行けるさなんて余裕ぶっこいてたらいつの間にか閉鎖されていた、なんて事態になりそうな匂いがするのも確か。家賃のお高い一等地だけに、よほど採算性がよくないとすぐ消滅してしまうかもしれないので、そのあたり時期の見極めが肝心でありましょう。
とりあえず、VR PARK TOKYOの公式サイトはこちら。事前予約もこちらのサイトからできます。繰り返しますが、バンジージャンプVRは来月中旬からの予定ですので、お間違えなきよう!