むかしから筆者がVHS(その前にベータもあった)で撮りためてきた、テレビでの古い空中浮遊映像の数々。昔はそれらをPCで使えるデジタルコンテンツにする手段がなく、テレビ画面(当時はブラウン管)をデジカメ撮影して貼りつけた記事も、かつて当ブログにはありました。
その後BD/DVD対応のレコーダーを入手し、DVDダビングを経由してちゃんとした映像のコンテンツ化が可能になった際、これを使って昔の番組の記事を書きたいと宣言しましたよねえ。それがなかなか実行できず、ずいぶんと年月が経過しました。
というのも、目下VHSデッキがぶっ壊れておりまして。
メーカーやお店に持っていっても直してくれそうにはないので、自力で修理するか、別のデッキを調達するか。自力はたぶん不可能じゃないけど手間がかかりそうだし、新調してもDVDへのダビングにしか使用しないわけで勿体ない気もするし、どうしたもんかなあと思いつつ、はや幾とせ!
とりあえずVHSデッキが壊れる直前に作成した、よさげなVHS映像の一部を適当に見つくろって収録した1枚のDVDだけが、いま手もとに存在している状況です。
ネタ不足の昨今ですから、その1枚のDVDに収録した映像の中から、かつてのアイデアを足かけ9年越しで実現させてみようかと。それなりの数があった候補のうちからどうしてこの番組を選んだのか、その理由はのちほど語るとして。
今から13年ほど前のこと、TBS系で放映された『キャプテン☆ドみの』というバラエティ番組がありました。みのもんたがゲームマスター役として登場し、自ら率いるレギュラーチームとゲストチームとを遊園地のアトラクション的なゲームで対戦させるというもので、現在の番組で例えるなら『VS嵐』に近いのかな。
この番組に『ドみの☆ワールド』という名物ゲームがありました。
体重を免荷し、人間離れした大ジャンプを可能にした上で、スーパーマリオブラザーズ的な横スクロールジャンプアクションゲームを実体験できるものでした。
その『ドみの☆ワールド』を筆頭に、大型特設スタジオを埋め尽くすアトラクションはどれもとにかく大がかりで、そのド派手さは同局の看板特番『SASUKE』にも匹敵するものでした。これをレギュラー番組でやってしまおうというのだから……!
2007年4月28日の初回放送に先んじて、同日の昼、『王様のブランチ』のTVコーナーでこれが取り上げられ、金田美香ちゃん、立川絵理ちゃんというふたりのブランチリポーターが特設スタジオを訪れ、実際のアトラクションを体験リポートした様子がオンエアされました。
この映像をVHSからDVDへダビングしたものを、ここで大々的にご紹介しましょう。
まずは金田美香ちゃん。
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ジャージ姿でハーネス・ワイヤーを装着。試しに軽くジャンプしてみたところ、「キャアアアアー」という悲鳴とともにとんでもない高さまで舞い上がってしまいます。
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この大ジャンプを可能にする仕掛けは、プレイヤーの体重に応じたおもりをワイヤーの反対側の先に吊るしているだけ。月面の重力などを体験する設備でまれに使われる手法ですね。
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この体験リポートでは、完全に落下→ゲームオーバーと思われた場面からの奇跡的リカバリー劇が炸裂したのでした。美香ちゃん、持ってるなあ。
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最後の落下も、大して深くはないはずの水濠に頭まで浸かり、バラエティ的に満点です。
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「未知! 人生初の動き! みのさんも言ってたけどね、新しい!」
とびしょ濡れのまま興奮冷めやらぬご様子。
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いっぽう立川絵理ちゃんは、意気揚々とスタートするも、見せ場を作れず落水してしまうのでした。
そう、このゲームの目的は、背景である電光掲示ビジョンに表示されたコインを取って得点を稼ぐことにあります。何かのセンサーが効いているのか、コインの前を人体が横切るとコインが消え得点が加算される仕組みになっているんですね。
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さて、金田美香ちゃんといえば2006年の秋、当ブログで最初に取り上げた記念すべきFlying Beautyなのであります。そのときは、同じ『王様のブランチ』で体験リポートしたバンジートランポリンについての記事だったんだよね。
タメの立川絵理ちゃんは当ブログ初登場。リポーターとしては美香ちゃんより少し後輩にあたります。
金田美香 1984年1月9日生まれ
立川絵理 1983年11月24日生まれ
ふたりとも当時23歳、現在は36歳。金田美香ちゃんは翌2008年の夏までブランチリポーターを続け、さらに翌2009年にサッカー選手と結婚。立川絵理ちゃんはこの年すなわち2007年一杯でリポーターを卒業。と同時に結婚と妊娠を発表。現在なんと4児の母だという話です。少子化対策に貢献してるなァ(笑)。
なお、同じ2007年4月28日には、『王様のブランチ』のあと、午後にも番宣用のスペシャル番組が組まれていました。そしてそちらでも『王様のブランチ』とほぼ同じ、金田美香ちゃんの挑戦の様子が流れていたのですよ。
ところで、実はこの番組について、筆者には大きな悔恨がありまして……。
この番組のスタート前、各アトラクションゲームのテスト用一般モニター募集のお誘いを、とあるコネで頂いていたのですよ。具体的な番組名や詳細な内容こそ伏せられていましたが、たしか「SASUKE的な、体を使う大型ゲームのモニター」といった感じの表現がされていたっけ。しかしこれがフツーの平日の昼間の実施だったこともあり、体力的なことに自信があったわけでもない当時の筆者、そのままスルーしてしまいました。
こんな気持ちよさそうな体験ができるとわかっていたら、少々(かなり)無理してでも参加したのになあ。実施場所が横浜市(当時は空き地も多かったみなとみらい地区の一角と思われる)で筆者地元ということもあり、行くこと自体に障害は少なかったのに。
実際に一般モニターたちがゲームに興じる様子は、ブランチだったかその後の番宣番組だったかで、ほんの数秒ほど電波にも乗ったはずです。
さて、『キャプテン☆ドみの』初回スペシャルはスペシャルにふさわしく、ゲストチームのリーダーに大御所・和田アキ子を迎え、彼女と親交の深いあびる優とボクシング亀田三兄弟の興毅、大毅からなるアッコ軍団とレギュラーチームの戦いとなりました。
本来レギュラーチームはひとりが1種のゲームを専任で担当する形式になっており、肝心の『ドみの☆ワールド』の担当は、故・桜塚やっくん。ただ、スペシャルである初回だけはこのゲームに各チーム複数人がチャレンジし、その合計点で雌雄を決する形でした。
ここではアッコ軍団からあびる優が、そしてレギュラーチームからは本来このゲームの担当でない紅一点・大沢あかねが参戦しています。
あびる優 1986年7月4日生まれ
まもなく34歳になろうという、昨年バツイチとなった彼女も、当時は20歳。
ワイヤーの先につけられたおもりによって体が上へ引っぱられる感覚に慣れないのか、「立つとなんか不安になっちゃうんです」と妙な姿勢を続ける彼女。
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体の自由が効かないのか、ほとんど何もできず落水。アッコがっかり(笑)。
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いっぽうの大沢あかねちゃん。
大沢あかね 1985年8月16日生まれ
当時21歳。こちらも現在は34歳。このブログには実は2度目の登場なんですが、前回を覚えてる人がいるんだろうか?
こちらも割と早めに落水してしまうんですが、そこはレギュラーチームだけにそれなりの慎重な攻略法を実践したせいか、得点はあびる優より上でした。
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得点を知って得意げにポーズを決めるも、最後は司会の藤井隆に突き飛ばされて再落水します。さすがバラエティ要員です(笑)。
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このあとはリーダー和田アキ子当人もこれに挑戦したのですが、ゴッド姉ちゃんといえどもさほどの結果は出せず。キャラに似合わず結構なビビリであることも知られているアッコさん、よく挑戦したよな。ただ、画像は割愛しますです(笑)。
番組はその後もゲストチームの連戦連敗で、最終ゲーム前にして得点に大差がつき、仮にアッコ軍団が最終ゲームに勝利しても逆転は望めない状況にありました。そこでアッコさん、最終ゲームで逆転が可能になるよう取得ポイントのルール変更を提案します。レギュラーチームも受けて立ち、最終ゲームが行われたのですが、たしかアッコ軍団はこれにも敗れ、初回放送はレギュラーチームの圧勝に終わったと記憶しています。
この番組についてはぜひブログ記事にしたいと思い、それで使えるような番組キャプチャ画像などどっかに上がってないかなとネット検索してみた当時の筆者が多く目にしたのは、番組の感想としてSNSなどに記された、ゴリ押しで番組ルールをねじ曲げる和田アキ子の横暴を辛辣にバッシングする意見でした。「そうまでして勝ちたいのか大人げないぞ」などとね。
「それは違うんでねえの?」
と当時筆者は思ったものの、とくに個別のレスポンスはしなかったのでありますが。
筆者が憶測するにこのルール変更の提案、自らの率いるチームが弱かったために番組にとって大事な初回スペシャルがどんよりと盛り下がってしまう……何より最も盛り上がるべき最終ゲームに対する視聴者の興味が削がれてしまうことを恐れたアッコさんによる一策だったのではないかと。
いやむしろこれ、同じ理由で番組スタッフ側のほうから出たアイデアで、それをアッコさんのアドリブ的提案でルール変更したと見せかけるべく出演者たちにセリフを与え、「演出」したものなのかもしれません。そう考えるほうが自然な気がします。
ところで最近ちまたを賑わせた、某恋愛系リアリティ番組に出演中だった某美人女子プロレスラーが急死したというニュース。
番組中で共演者の失策を強すぎる口調でとがめた彼女に対する執拗な反論や叱責や誹謗中傷を苦にした自殺と報じられ、そののち彼女の暴言めいた言葉は、相手を強くなじるよう指示された番組側の演出だったことも明らかになりました。
ちなみに筆者は問題となった番組を見ていないのですが、そのニュースを聞いたとき真っ先に思い出したのが、この『キャプテン☆ドみの』初回スペシャル直後に多く見た、アッコさんに対するバッシングの数々だったんですよね。
不幸なことに、フィクションと現実との区別のつかない人って、まだまだ世間にそれなりの数存在しているようで。
国民的ドラマで悪役を演じる俳優が、田舎の旅ロケなどで出会った地元民に冷遇されたりマジ説教されたりするなどは、よくある話だと聞きます。そしてそんなことをするのは、きまってかなりの高齢者だったりします。
いっぽう特撮ヒーローアクションドラマの中で見知った街並や建物が破壊されるのを見た者が、本当に破壊されたのだと信じ込んで絶望するようなケースもあります。言うまでもなく、そんなことをするのはきまってヒーローファンである幼児です。もちろんそんな子に限って、大きくなったら○○レンジャーになりたい、なれるものだと本気で思っていたりするのです。
そう、フィクションと現実の区別がつかない連中のほとんどは、ショービズ界の仕組みに疎いジジババたちとガキんちょたちとに占められているんですね。そうでない、業界の裏表に精通した「メディアの申し子」世代の、しかも十分なオトナである我々は、彼らの勘違いには失笑を禁じ得ないわけです。
バレバレのドッキリでも、かかってない催眠術でも、熱くないおでんでも、番組を面白くしなければならないという空気を感じたらそれを読み、求められるリアクションをしちゃうのがテレビタレントの性(さが)というものだという例を、我々は多くの場面で目撃してきたでしょう?
演者の素のリアクション、素の態度、素のセリフであるように見えるシーンでさえ、演者が何かの空気を読んでいることもあり、何かの演出が加わっていることもあり、それらがなくても編集の仕方次第で見る者の心象を操作することはあるていど可能だったりする。メディアの申し子たちは、それらをちゃんと理解しているはずです。
なのに、ちょっとリアリティある雰囲気だっただけで、ちょっとアドリブっぽい雰囲気だっただけで、ものの見事に騙され、そのセリフが演者の本心から出た言葉であるかのような錯覚をしてしまう。そういう人が多くいたからこそ、あの不幸は起こったんだよなあ。
だから彼女を中傷した人は、メディアの申し子の名折れなんですわ。つまり、ジジババ&ガキんちょの範疇ということですわ。21世紀に生きる大人としては、けっこう恥ずかしいことだと思います。
彼女の死とそれにまつわるニュースを聞いてふと『キャプテン☆ドみの』初回放送のことを思い出したこと。それが、今回この番組を記事に取り上げようと思った理由なんです。
話を戻しましょう。
『キャプテン☆ドみの』はこの初回スペシャルを含め、実質わずか12回で終了となってしまいました。
これだけ巨額を投じたド派手なセットが1クールでバラされてしまったことを思うと、テレビ業界の無情を感じますね。
12回しか行われなかった『ドみの☆ワールド』を体験した出演者のうち、女性はのべ14人。以下にその一覧を挙げておきます。ええ、女性のみの一覧です。当時のバラエティ界隈で引っ張りダコだった若手女芸人とグラビア出身バラドルが中心になっていますね。
筆者はたぶん全回録画しているはずですけど、DVD化していたのがブランチリポーターの体験ぶんと初回放送ぶんだけなので、今のところ画像を貼れるのはそれだけです。あしからず。
第1回(スペシャル) | 4月28日 | あびる優/大沢あかね/和田アキ子 |
第2回 | 5月5日 | まちゃまちゃ/青田典子 |
第3回 | 5月12日 | (女性参加者なし) |
第4回 | 5月19日 | 磯山さやか |
第5回 | 5月26日 | ジャガー横田 |
第6回 | 6月2日 | 水野裕子 |
第7回 | 6月9日 | (女性参加者なし) |
第8回 | 6月16日 | 箕輪はるか(ハリセンボン)/山田花子 |
第9回 | 6月23日 | 眞鍋かをり |
第10回 | 6月30日 | 熊田曜子 |
第11回 | 7月7日 | (女性参加者なし) |
第12回 | 7月14日 | 山本梓/ほしのあき |
第13回 | 7月21日 | (総集編放送) |